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危機管理監室 原子力安全対策室

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「志賀原子力発電所における県・地元町への連絡基準に係る覚書」に基づき、北陸電力から連絡があった事象(平成21年度)

連絡区分 事象名 発生月日 概  要 県HP 電力HP
ⅠA 志賀2号機
漏えい燃料の範囲の特定作業のための出力降下
平成21年
4月13日
定格電気出力一定運転中、4月12日、気体廃棄物処理系の高感度オフガスモニタの指示が上昇したことから監視強化を行っていた。
4月13日、高感度オフガスモニタの指示値に有意な上昇が認められたことから、原子炉出力を降下させ、漏えい燃料の特定作業を実施した。
漏えい燃料の範囲を特定し、4月19日、近傍の制御棒5本を全挿入することにより、当該燃料の熱出力を抑制し、漏えい拡大の防止を図った。
4月20日より出力を上昇させ、4月26日、定格出力に復帰した。
北陸電力報告書:「志賀原子力発電所2号機における漏えい燃料範囲の特定作業の実施結果について」(4月28日発表)
7月10日より開始した定期検査において、「漏えいした燃料集合体を特定するための検査(シッピング検査)」を行い、漏えいした燃料集合体1体を確認した。(7月21日発表)
全ての燃料集合体(872体)に対するシッピング検査をを終了し、漏えいした燃料集合体が、1体のみであることを確認した。(7月28日発表)
漏えいが確認された燃料集合体の外観検査等を実施した結果、漏えいした燃料棒1本を特定した。今回の燃料漏えいの原因は、偶発的なものと推定した。(8月12日発表)
ⅠA 志賀原子力発電所での火災(部分焼)の発生について 平成21年
10月13日
午後5時10分頃、事務本館建屋の増設に伴う溶接工事を行っていたところ、溶接の火花が防水シートに飛んで一部燃えた。作業員が直ちに消火器で消火した。 部分焼が発生した箇所は、事務本館一階の玄関口付近で約2平方メートル。公設消防に連絡し、鎮火の確認を受けた。
ⅠA 志賀2号機
原子炉手動停止について
平成21年
11月13日
定格出力で調整運転中の11月12日16時43分、非常用ディーゼル発電機A号機の定例試験において、動作可能であることが確認でず、運転上の制限(非常用ディーゼル発電機が3台動作可能の状態)からの逸脱があった。
このため、非常用ディーゼル発電機B号機の健全性確認を実施したところ、13日0時05分、B号機も動作可能であることを確認できなかったため、保安規定に従い、原子炉を手動停止することを1時30分に決定し、7時00分より出力降下を開始した。
外部への放射能等の影響はなかった。
調査の結果、以下の原因として対策を講じることとした(12月4日発表)
(推定原因)
インジケータ弁から潤滑油が漏れ出た原因は、非常用ディーゼル発電機の待機中に、シリンダ上部への潤滑油の供給を遮断すべき圧力制御逆止弁が完全に閉止していなかったため、潤滑油が給・排気弁を通してシリンダ内に流入したもの。
圧力制御逆止弁が完全に閉止していなかった原因は、微細な金属粉が含まれる潤滑油内で圧力制御逆止弁の弁体が弁箱内部で傾いた状態で開閉動作を繰り返したことにより、弁箱内面の摺動面に摩耗が発生し、弁体が動き難くなったことによるもの。
当該圧力制御逆止弁については、定期的な交換が必要となるという配慮が不足していた。
(対策)
(1)圧力制御逆止弁を摩耗が発生しにくい構造の弁に変更し交換する。今後は、定期的に圧力制御逆止弁を交換する。
(2)非常用ディーゼル発電機の起動試験等の後、待機中に運転している潤滑油プライミングポンプを一旦停止し、潤滑油圧力を下げ、圧力制御逆止弁を確実に閉止させた後、潤滑油プライミングポンプを再度起動するよう手順を変更する。
(3)潤滑油を新油に交換し、圧力制御逆止弁への潤滑油供給ラインの洗浄を実施する。今後は、念のため、定期的に潤滑油を新油に交換する。

平成21年
12月6日
圧力制御逆止弁を交換した後、非常用ディーゼル発電機A号機の確認試験のためにターニング操作を実施したところ、1個のシリンダのインジ
ケータ弁から潤滑油が約20cc漏れ出した。
前回の事象の原因であった圧力制御逆止弁は、正常に機能していることを確認した。

調査の結果、以下の原因として対策を講じることとした(平成22年1月21日発表)。
(原因)
非常用ディーゼル発電機は停止後の温度低下によって給・排気弁が閉じている一部のシリンダの燃焼室内が負圧となることがあり、系統全体の潤滑油供給量が多かったため、負圧となった状態でピストンの停止位置等の条件が重なると、ピストン内部に供給されている潤滑油がピストンの連通孔まで供給され、この連通孔を通じてシリンダ燃焼室内に吸い上げられ、この状態でターニング操作を実施したことからインジケータ弁から潤滑油が漏れ出したと推定した。
また、今回の事象は設備損傷によるものではなく、前回(11月)の圧力制御逆止弁の着座不良とは異なる原因と推定した。
(対策)
(1) シリンダ燃焼室内の負圧を低減し、また、潤滑油の吸い上げ量を低減するため、機関停止後シリンダ燃焼室内が負圧になる可能性がある期間、潤滑油プライミングポンプを間欠運転(5分運転、15分停止)にした。
(2) ピストン部への潤滑油供給量を低減するため、潤滑油プライミングポンプ出口に潤滑油の一部を戻す配管を設置した。

1月22日、原子炉再起動に関する申し入れ
1月28日、志賀2号機原子炉起動を了承。
ⅠB 地震の発生について 平成21年
5月23日
志賀1、2号機とも定格運転中のところ、平成21年5月23日5時15分頃、石川県西方沖を震源とする地震(志賀町:震度3)発生した。発電所(志賀1号機原子炉建屋地下2階)での震度は0。この地震による放射線モニタの指示値に変動はなく、外部への放射能等の影響はなかった。
志賀2号機
使用済燃料貯蔵プールへのチャンネルファスナの落下について
平成21年
8月12日
定期検査中、使用済燃料貯蔵プール内において燃料集合体にカバー(チャンネルボックス)を装着する作業を実施していたところ、作業用の工具をチャンネルファスナ(燃料集合体にカバーを固定するための金具)の収納容器に接触。させ、チャンネルファスナ7個を落下させた。
チャンネルファスナの落下による燃料集合体の損傷や使用済燃料貯蔵プールの損傷・機能への影響く、外部への放射能等の影響はなかった。
落下させたチャンネルファスナは8月13日、回収した。
志賀2号機
使用済燃料貯蔵プール内の異物(布きれ)について
平成21年
8月17日
定期検査中、使用済燃料貯蔵プールにおいて、原子炉からプール内へ燃料集合体の移送作業を行っていたところ、移送した燃料集合体の上部に布きれを発見した。8月18日に布きれを回収し原子炉内の燃料上部やプール内に同様の異物がないことを確認した。
使用済燃料貯蔵プールの損傷・機能への影響はなく、外部への放射能等の影響はなかった。
志賀2号機
燃料集合体上部での異物の発見について
(8月17日の続報)
平成21年
9月15日
定期検査中、原子炉内において、燃料装荷検査(燃料集合体に刻印された番号により配置を確認する検査)実施中に燃料集合体上部に異物(布状の切れ端のようなもの)を発見した。
同日、異物を回収し、他の燃料集合体上部に同様の異物がないことを確認した。
なお、北陸電力は先月確認された布等の事案を受け、原子炉内の清掃時及び燃料装荷検査時に、再度、異物の有無を確認していた。
志賀2号機
原子炉格納容器内での溢水について
平成21年
9月28日
定期検査中、原子炉内の点検作業終了に伴い原子炉圧力容器周辺の水抜き作業を行っていたところ、原子炉格納容器内にある溜めます(原子炉格納容器低電導度廃液サンプ)から水が溢れた。
床面に溢れていた量は、約72リットル、放射性物質の量は、約12万ベクレルであり、溜めますがある部屋は堰構造であり、溢れた水は、その堰内に留まっていることから、外部への漏えいはなかった。
志賀1号機
(*1)格納容器冷却系冷却器 凝縮水流量の指示値低下について
平成21年
5月15日
定格熱出力一定運転中、格納容器内の冷却器からの凝縮水(湿分が冷却器に触れて結露するもの)の量を測定している流量計の指示値が徐々に低下していることを確認した。これは凝縮水流路または流量計に不具合が生じたものと推定された。
なお、万一、格納容器内で蒸気が漏れた場合には、この流量が増加することから、漏えいの検出にも使用されるが、漏えいの有無は、漏えい水が溜まる溜めますの水位の変化により、直接計測していることから、当該流量計が使用できなくなっても、安全上問題となることはない。

(*1)格納容器内冷却器
 格納容器内を除湿冷却するために設置された機器
志賀2号機
(*2)原子炉冷却材浄化ポンプ(B) の部品交換について
平成21年
5月20日
定格電気出力一定運転中、原子炉冷却材浄化ポンプ2基の内の1基について、ポンプの羽根を収納している部分に摩耗が見られたため、当該部品を新品と交換した。

(*2)原子炉冷却材浄化ポンプ
 原子炉水を清浄に保つため、浄化装置に炉水の一部を送り込むためのポンプ。2基設置されており、1基でも十分な容量を持つ。
志賀2号機
タービン潤滑油の漏えいについて
平成21年
7月16日
定期検査中、タービン建屋地下2階にある油清浄機からタービン潤滑油が漏えいしているのを運転員が発見した。漏えいした油の量は約11.5m3で、全て防油堤内に留まっていた。
漏えいした油から放射能は検出されず、外部への放射能等の影響はなかった。
漏えいの原因は、主タービン潤滑油の供給停止操作を実施した際、油清浄機への潤滑油供給停止操作を行わなかったため、主タービンからの戻り油が油清浄機に流入し、漏えいしたもの。
また、タービン潤滑油関連の警報が発報したが、対応が遅れた。
再発防止対策として、手順書の改善を行うとともに、発生した警報に対して適時的確に対応することを再周知した。
モニタリングポストNo.6低レンジモニタの指示値低下 平成21年
12月18日
モニタリングポスト№6低レンジモニタの異常を示す警報が、12月18日6時37分に発生し、当該モニタの指示値が低下していることを確認した。
モニタリングポスト№6高レンジモニタ及びその他のモニタリングポストの指示値に異常はなかった。
当該モニタの検出器及び計測部が故障していたことから、検出器及び計測部を予備品と取替え、12月19日12時20分に復旧した。
志賀1号機
低電導度廃液系収集ポンプ(A)出口逆止弁の動作不良について
平成22年
2月9日
廃棄物処理建屋内の低電導度廃液系収集ポンプ(A)出口逆止弁にわずかな逆流の兆候があったため、廃棄物処理建屋内機器の定期点検に併せて、2月9日、当該逆止弁を分解点検したところ、弁体が駆動用アームから外れていた。
当該逆止弁の弁体と駆動用アームを新品に交換し、2月18日に復旧した。
外部への放射性物質の影響はなかった。

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所属課:危機管理監室 危機対策課 原子力安全対策室

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